うちのこと

劇団概要

“舞台”ではなく“芝居”を。

私たちは、
シンプルな衣装と舞台装置で、
複雑な構成の物語が終盤に向かい収束する作品を発信し続けています。

「舞台に立つ身体」「スペシャリストとしての俳優」を目指し研鑽に励む団体は多い。
そしてそれを追求することはとても重要なことです。
しかし、我々の目指す先は「芝居の延長にある非日常空間」なのです。
すると身体・コトバへのアプローチは自然と異なってきます。

“舞台”ではなく“芝居”を。

芝居とは「芝の上に居るさま」であり、元々は客席を指すそうです。
放電家族の俳優達はいかに客席と近い身体で作品に臨めるかを追求し、演出家は客席の観客たちをどう演出するかを考えます。
俳優はそのへんからひょっこりやってきたような身体で負荷をかけ続けます。
それは自分自身に対しての負荷であり、対峙する俳優に向けられた負荷でもあります。
そして、時としてそれは客席にも向けられるのです。

手法は様々です。
「袖」を廃し、本番中でも待機している様を晒し続ける。
小走りで喋り続ける。
動き続ける。
聞き取れないスピードで喋り続ける。
ミスもします。
噛んだり転んだり、ステージごと様々なトラブルに見舞われます。

なぜLIVEで演じるのか。
なぜLIVEで観るのか。

放電家族の芝居はドキュメンタリーでなければいけません。
俳優も観客も当事者でなければなりません。

“舞台”ではなく“芝居”を。

これは結成以来、放電家族が大切にしている心意気です。
舞台から芝居を観る。
芝居から舞台を観る。

この先も放電家族は芝居を追求し続けます。

放電家族の特徴

  • パネルを置きません・
    袖も全部見せます

    シースルーシアター

    放電家族最大の特徴が、待機している俳優の姿も公演中に見せてしまう「シースルーシアター」です。
    待機中の俳優たちは汗を拭いたり、水を飲んだり、リラックスしたり、お芝居を見たりしています。中には客席を見ている俳優もいます。舞台上にも“芝居”を、という理想を突き詰めた結果、シースルーの舞台装置という結論に至りました。

    待機の様子も見せる、ということはセットがありません。お客様の想像力をお借りしながらアパートの一室から広大な砂漠、宇宙までシーンは代わる代わる移ろっていきます。

  • 黒装束とパイプ椅子、そして傘
    最低限の小道具と装置

    身黒ずくめの俳優たちが、真っ黒な劇場に佇んでいるのも特徴のひとつです。放電家族は1人で複数役を兼ねることが多く、その際の情報量を制限するために黒装束を纏っています。人によってはドレスに見えたり、スーツに見えたりするようです。こちらもお客様の想像力という最大のご協力によって成立しています。

    座る、という動作はナカナカ嘘がつけません。そのため放電家族では丸型のパイプ椅子を愛用しています。椅子になったり、崩壊したビルになったり、座るだけではなく、様々な用途に使われます。

    最近の放電家族に欠かせないアイテムとなっているのが傘です。人を隠し、時に武器となり、杖となり、落語家にとっての扇子や手ぬぐいの様に、放電家族では傘を万能の小道具として利用しています。

    作品に応じて上記以外のアイテムや装置を利用することもありますが、基本的にはこれらの道具を利用して作品を作っています。

  • お芝居のオヤクソクを壊す
    散りばめられた皮肉とネタ・メタ

    持つ人によって大きさの変わるコップ、存在を忘れられた見えない机など、我々の作品には「これは演劇である」と宣言するかの様に演劇のお約束をぶち壊す状況が沢山出てきます。

    直接的なのか間接的なのかわからない比喩や皮肉を積み上げることでものごとに対して違う角度からスポットを当て、それは時に物事の本質をつき、逆に強烈なブラックジョークを中和してくれます。

    お客様にこれはあくまで作り話であるということを作中何度も確認していただくことで、演劇という構造の中にある矛盾やおかしみ、そして可能性を提示し続けて参ります。

団体概要

団体名称劇団「放電家族」
愛称/略称放電家族/放電
所在地〒461-0003
愛知県名古屋市東区筒井三丁目
15-16 マツダビル3F
結成年月2007年8月
所属団員数12名
(男4名・女8名 2022年9月現在)
代表天野順一朗
受賞G/PITチャレンジフェスティバル
G/PIT大賞(2012、2015)
第二回名古屋演劇杯
大賞(2015)
活動内容演劇媒体による表現活動
団体主催による演劇公演活動
所属劇団員の外部出演に伴う各種サポート
協力どっかんプロダクション

沿革

  1. 天野順一朗、仁緒谷湧心(現・不動湧心)が酔った勢いで劇団HPを作成
  2. 第壱回放演『sugarless.』にて旗揚(8月)
    【入団】西園寺すこんぶ、信濃そばこ、月刊とまと、結城ゼミナール、桐原工務店、猿飛康介
  3. 第弐回放演『The Doomsday Palm.』(4月)
    【入団】本山葵
  4. 第参回放演『蛇と林檎』(1月)
    第肆回放演『フカフカがーる』(12月)
    【入団】真臼ねづみ
    【卒団】月刊とまと
  5. 第伍回放演『檸檬』(10月)
    【入団】武田萬、いまいΣ、唐澤遼、柚木マサ
    【卒団】桐原工務店
  6. 第陸回放演『アワーホーム』(5月)
    第漆回放演『無論、胡乱』(12月)
    【卒団】西園寺すこんぶ、信濃そばこ、猿飛康介、真臼ねづみ、本山葵、柚木マサ
  7. 第捌回放演『ヌーの食卓』(4月)
    G/PITチャレンジフェスティバル2012
    G/PIT大賞受賞
    【卒団】唐澤遼
  8. 第玖回放演『森海魚』(5月)
    【入団】吉田汐美、さとうあやな、カレーハウス板東
  9. 第拾回放演『厭劇入門』(5月)
    【卒団】カレーハウス板東
  10. 第拾壱回放演『しおとさとう』(2月)
    G/PITチャレンジフェスティバル2015
    G/PIT大賞受賞
    第拾弐回放演『すくえ!ヨシムラちゃん!』(10月)
    【入団】ヤマモトアヤ
  11. 第拾参回放演『ERROR of CLOSUREs』(5月)
    第拾肆回放演『フカフカがーる』(10月)
  12. 事務所移転(2月)
    第拾伍回放演『モンクス・デライト』(8月)
    【入団】龍華泉、渡邉怒濤、猫神マオ、藤原稜雅
  13. 第拾陸回放演『しおとさとう』(1月)
    『机上の空襲』(8月)
    第拾捌回放演【新人公演】『そくらぶ』(10月)
    【入団】久米ぴりか、中村四喜和、森山珠妃、山下hPa
  14. 第拾玖回放演『はい、どーも。』(2月)
    #20『神国戦記 破』(8月)
    【卒団】武田萬、猫神マオ
  15. #21『Wedding Constipation.』(3月)
    #22『厭劇黙示録』公演中止(8月)
  16. #23『MONKS HOOD』(4月)
  17. 【卒団】不動湧心、マキトカゲ・エリ、藤原稜雅